緑黄色社会の作曲法は?メンバー4人の特徴やヒット曲から徹底解説

作曲法

「緑黄色社会の曲は、誰が作っているの?」

ヒット曲を聴いて、このような疑問を持った方も多いのではないでしょうか。

緑黄色社会の大きな特徴は、メンバー4人全員が作曲に関わることです。

一般的なバンドではメインソングライターがほぼ固定されているケースもありますが、緑黄色社会では長屋晴子、小林壱誓、peppe、穴見真吾のそれぞれが曲を生み出します。「個性・ルーツの異なるメンバー全員が作曲に携わる」ことがバンドの特色となっています。

しかも、

  • 1人で作詞・作曲する
  • 1人が作ったデモをバンドでアレンジする
  • 2人で作曲する
  • 作詞チームと作曲チームに分かれる
  • 4人全員でセッションしながら作る

など、曲によって制作方法そのものを変えているのがポイントです。

つまり緑黄色社会には、「毎回このコード進行から作る」といった1つの固定された作曲法があるというより、複数の作曲家がアイデアを持ち寄り、楽曲ごとに最適な作り方を選択する制作スタイルがあると考える方がいいでしょう。


緑黄色社会とは?

緑黄色社会、「リョクシャカ」は、愛知県出身の4人組バンドです。

2012年、高校の同級生だった長屋晴子・小林壱誓・peppeと、小林壱誓の幼なじみである穴見真吾によって結成されました。現在のメンバーは次の4人です。

メンバー担当作曲面での特徴
長屋晴子Vo. / Gt.歌とメロディを軸にした楽曲、作詞も多数担当
小林壱誓Gt.ギター、歌詞、コンセプト作りまで幅広く担当
peppeKey.ピアノ・鍵盤を生かした印象的なメロディ
穴見真吾Ba.作曲に加えてアレンジ面でも重要な役割

ここからは、それぞれを詳しく見ていきましょう。


緑黄色社会のメンバー4人を詳しく解説

長屋晴子|ボーカル&ギター

緑黄色社会のフロントマンが長屋晴子(ながや はるこ)です。

最大の魅力は、透明感と力強さを両立したボーカル。低い音域から高音まで存在感があり、緑黄色社会のポップでカラフルなサウンドをまとめ上げています。

しかし長屋さんは「歌う人」であるだけではありません。

作詞・作曲家としても緑黄色社会の中心人物の1人です。

代表的な例が「Shout Baby」。この曲は長屋さんが作詞・作曲を担当し、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期のエンディングテーマとして起用されました。

過去のインタビューでは、長屋さん自身が作ったデモをメンバーに持ち込み、そこからアレンジを考えていく方法が使われていたことも語られています。

長屋楽曲のポイントをあえて整理するなら、「歌として成立する強いメロディ」から曲の魅力を作るタイプと考えられます。


小林壱誓|ギター

ギターを担当するのが小林壱誓(こばやし いっせい)です。

小林さんはギタリストでありながら、作曲だけでなく作詞や楽曲コンセプトの構築にも深く関わっています。

それが特によく分かるのが「Mela!」です。

「Mela!」では、

作詞:長屋晴子・小林壱誓
作曲:peppe・穴見真吾

という非常にユニークな分担が行われました。

制作時、小林さんが好きだった「ヒーロー」というテーマから物語を膨らませ、プロットを作り、それを長屋さんが歌詞へ発展させる形が取られています。

また「マジックアワー」では小林さんが作詞・作曲を担当。

つまり小林さんは、ギターリフを作るだけではなく、曲の物語や世界観から逆算して音楽を設計できるタイプのソングライターと言えそうです。


peppe|キーボード

緑黄色社会のサウンドを特徴付けているのが、キーボードのpeppeです。

ロックバンドというとギター中心のサウンドを想像しがちですが、緑黄色社会ではピアノやシンセサイザーがかなり重要なポジションを占めています。

過去のメンバーインタビューでは、長屋さんがpeppeさんの作る曲について、感情がストレートに伝わるという趣旨で語り、小林さんもイントロの強さを評価しています。

その特徴が大きく花開いたのが、代表曲「Mela!」。

もともとの楽曲のきっかけをpeppeさんが作り、そこに穴見真吾さんが加わって作曲を進めました。制作ではpeppeさんによるジャズ的な鍵盤フレーズを穴見が発展させ、最終的にブラスを含む華やかなアレンジへ成長しています。

「イントロを聴いただけで続きを聴きたくなる」

これは緑黄色社会の楽曲が持つ大きな武器の1つですが、その一端をpeppeさんの鍵盤が担っています。


穴見真吾|ベース

ベース担当が穴見真吾(あなみ しんご)です。

緑黄色社会の作曲法を研究するとき、特に注目したいメンバーでもあります。

穴見さんはベーシストでありながら作曲能力が高く、さらにアレンジ面まで深く関与するケースが多いためです。

たとえば、

  • 「Mela!」:peppeさんと共同作曲
  • 「サマータイムシンデレラ」:作曲
  • 「花になって」:作曲

など、代表曲にも関わっています。

「サマータイムシンデレラ」の制作を語ったインタビューでも、穴見さん自身がアレンジについて「アイデア」を重視し、まずアイデアを盛り込んでから必要に応じて引き算するという考え方を明かしています。

これは緑黄色社会の音楽を理解するうえで重要です。

最初からシンプルに完成させようとするのではなく、多数の音楽的アイデアを試し、最後に必要なものを選択する。

その結果、「一度聴いただけでは全部を拾い切れないのに、ポップで聴きやすい」というリョクシャカ特有のサウンドが生まれていると分析できます。


緑黄色社会の作曲法に見られる5つの特徴

メンバー全員が作曲できる

最大の特徴です。

ボーカリストだけが曲を書くのではありません。

ギター、キーボード、ベース、それぞれ違う楽器を専門とするメンバーが作曲することで、曲ごとに出発地点そのものが変わります。

ボーカルから作れば「歌」が中心になりやすく、鍵盤から作ればコードやピアノフレーズが中心になり、ベーシストが作ればリズムやアレンジに異なる発想を持ち込みやすくなります。

この「作曲者を固定しない仕組み」こそ、緑黄色社会の楽曲の幅が広い理由の1つでしょう。


デモを完成品とは考えない

緑黄色社会では、誰かが作った原型をそのまま演奏するだけではなく、メンバーやアレンジャーによって大きく発展させる制作が見られます。

たとえば長屋さんが作った楽曲でも、穴見さんがアイデアを追加することで、よりパワフルな曲へ変化した例が語られています。

つまり、

作曲者のデモ → メンバーのアイデア → アレンジ → 緑黄色社会の曲

という工程が重要なのです。


「誰が歌うか」を考えてメロディを作る

緑黄色社会の中心には、当然ながら長屋晴子さんのボーカルがあります。

そのため楽曲分析の観点では、単に複雑なコードを使うのではなく、最終的に長屋さんの歌声が最も映える場所へメロディを着地させている点が重要です。

音程が上昇する場面、力強く歌うサビ、余白を作るAメロなど、ボーカルの表情を変化させることでドラマを作っています。

楽器が派手でも「歌」が埋もれない。

これがリョクシャカの優れたポップセンスです。


イントロとサビに強いフックを置く

緑黄色社会のヒット曲は、イントロやサビなどに一度聴いたら覚えやすいフックがあります。

「Mela!」なら冒頭から感じる華やかさ。

「花になって」なら妖艶さと疾走感。

「サマータイムシンデレラ」なら夏の景色を感じさせる爽快感。

曲全体を難しくするのではなく、リスナーが記憶できる明確なポイントを作っているのです。

これはポップソングを作るうえで非常に参考になる考え方です。


曲ごとに作曲のルールを変える

これも非常に興味深いポイントです。

緑黄色社会では、曲によって制作ルールそのものが変わります。

「Mela!」では作詞2人、作曲2人という分業を実施。

さらに別の制作では、小林さんが意図的に音楽的な制約を設定し、制約があることで作曲の道筋が明確になったと語っています。

作曲で行き詰まっている人にとって、これは非常に参考になります。

「自由に作ろう」とするより、

「今日はこのリズムを使う」
「この音階だけで作る」
「ピアノから作る」
「先に物語を決める」

と制限した方が、逆にアイデアが出てくる場合があるからです。


緑黄色社会の代表的なヒット曲を作曲面から解説

「Mela!」|4人の個性が融合した代表曲

緑黄色社会を代表する曲と言えば、やはり「Mela!」でしょう。

2020年に発表され、2026年3月にはストリーミング再生数が5億回を突破しています。

作家クレジットは、

作詞:長屋晴子・小林壱誓
作曲:peppe・穴見真吾
編曲:横山裕章・緑黄色社会

です。

実に緑黄色社会らしい制作方法です。

peppeさんの鍵盤から生まれたアイデアを穴見さんが広げ、作詞では小林さんが物語の方向性を考え、長屋さんが歌詞へ落とし込んでいます。

つまり「Mela!」は、単に4人で演奏しているだけではなく、4人のクリエイティブが制作段階から組み合わされた曲なのです。

テーマとなっているのは「ヒーロー」。

華やかなブラス、躍動感のあるリズム、覚えやすいメロディが組み合わさり、聴く人を前向きにするエネルギーを生み出しています。

緑黄色社会の作曲法を1曲だけで研究するなら、まず「Mela!」をおすすめします。


「花になって」|妖艶さと疾走感を両立

「花になって」は、TVアニメ『薬屋のひとりごと』のオープニングテーマとして発表された楽曲です。

クレジットは、

作詞:長屋晴子
作曲:穴見真吾
編曲:川口圭太・穴見真吾

となっています。

ストリーミング再生数は3億回を突破しています。

この曲の面白いところは、単なる爽快なポップロックではないこと。

楽曲全体にはスピード感がありますが、その中にどこか怪しげで妖艶なニュアンスがあります。

そしてサビでは一気に視界が開ける。

「作品の世界観」と「ポップソングとしてのキャッチーさ」を両立させるという、タイアップ曲のお手本のような設計です。


「サマータイムシンデレラ」|王道ポップを真正面から作る

2023年のフジテレビ系月9ドラマ『真夏のシンデレラ』主題歌となった「サマータイムシンデレラ」。

クレジットは、

作詞:長屋晴子・小林壱誓
作曲:穴見真吾
編曲:LASTorder・穴見真吾

です。

ストリーミング累計再生数は1億回を突破しています。

この曲で興味深いのは、奇抜さを優先するのではなく、夏・恋愛・青春というテーマに対して王道のポップソングを追求していることです。

リョクシャカというと複雑なアレンジにも注目されますが、必要であれば真正面から「いいメロディ」を作れる。

その基本能力の高さがよく分かる曲です。


「Shout Baby」|長屋晴子のソングライティングが光る

「Shout Baby」は、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期エンディングテーマ。

こちらは長屋さんが作詞・作曲しています。

「Mela!」のような全員参加型の制作とは異なり、1人の作家性がより見えやすい楽曲です。

内面的な感情から始まり、それが徐々に大きなエネルギーへ変わっていく構成は、長屋さんのボーカルとも非常に相性がいい。

緑黄色社会の作曲を研究するなら、

「Mela!」=共同制作
「Shout Baby」=長屋晴子の作家性

と比較して聴くと、バンドの幅広さがよく分かります。


「キャラクター」|リョクシャカらしいポップ感

「キャラクター」もストリーミング1億回を超える代表曲の1つです。「Mela!」「花になって」「Shout Baby」「サマータイムシンデレラ」と並ぶ主要ヒット曲となっています。

この曲では、明るさだけに振り切らず、人間らしい迷いや個性をポップなサウンドへ変換している点に注目したいところ。

「少し複雑な感情を、誰でも口ずさめるポップソングにする」

これも緑黄色社会が得意とする作曲の方向性です。


緑黄色社会の作曲から学べること

リョクシャカ風の曲を作りたいからといって、特定のコード進行やメロディをそのまま真似する必要はありません。

むしろ参考にすべきなのは、制作に対する考え方です。

最初に強い「核」を1つ作る

イントロでも、サビでも、歌詞のテーマでも構いません。

「この曲といえばこれ」と言える要素を作ります。

デモを完成形だと思わない

自分のアイデアに別の人の視点が加わることで、曲が大きく変わる可能性があります。

メロディを最優先する

アレンジが複雑でも、最後に覚えてもらうのは歌です。

サビだけは初めて聴く人でも記憶できるように設計します。

楽器ごとに役割を作る

ギター、ベース、ピアノ、ドラムを全部同じリズムで動かすのではなく、それぞれが違った役割を持つようにします。

必要なら「制約」を設ける

「今日はピアノから始める」「4つのコードだけで作る」などルールを設定すると、かえって独自性が生まれることがあります。

最後は引き算する

アイデアをたくさん出し、全部を残すのではなく、本当に曲を良くしているものだけを選ぶ。

この発想も重要です。


なぜ緑黄色社会の曲は売れるのか?

ヒットの理由を単純に1つへ絞ることはできません。

ただ、楽曲面から見ると、

「音楽好きが楽しめる細かさ」と「一般リスナーがすぐ覚えられるポップさ」

を両立していることが大きな強みでしょう。

キーボードには面白いフレーズがある。

ベースラインにも工夫がある。

ギターも存在感がある。

アレンジにもさまざまな仕掛けがある。

それでもサビを聴けば、難しい音楽理論を知らない人でも口ずさめます。

さらに作曲者が1人ではありません。

曲によって作者が変わり、場合によっては共同制作になるため、作品数が増えてもサウンドが画一的になりにくいのです。

実際、2026年時点で「Mela!」が5億回、「花になって」が3億回、「Shout Baby」「キャラクター」「サマータイムシンデレラ」がそれぞれ1億回以上のストリーミング再生を記録したとされています。


まとめ|緑黄色社会の作曲法の秘密は「4人の違いを混ぜること」

緑黄色社会の作曲法を調べていくと、最大の特徴は特定のコード進行や音楽理論ではなく、4人それぞれの個性を楽曲へ持ち込める制作体制にあることが分かります。

長屋晴子の歌とメロディ。

小林壱誓のギターと物語性。

peppeの印象的な鍵盤。

穴見真吾の作曲・アレンジ力。

それぞれが別々の強みを持っているからこそ、「Mela!」のような明るく華やかな曲も、「花になって」のような妖艶で疾走感のある曲も、「Shout Baby」のような感情的な曲も同じバンドから生まれます。

そして緑黄色社会から作曲を学ぶなら、最も重要なのは「1人で最初から最後まで完成させようとしないこと」かもしれません。

まず核となるメロディやテーマを作る。

そこに別の楽器、別の発想、別のアレンジを加える。

そして最後に不要なものを引く。

この「足し算と引き算」が、リョクシャカらしいカラフルでありながらキャッチーなポップソングにつながっているのでしょう。

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